ここでは太陽光発電についてよくある質問と答えをまとめました。
太陽光発電システムの価格帯
システム容量と実際の出力差はどれくらいか?
太陽電池の寿命
日中であれば停電時にも使えるか?
太陽光発電のメンテナンスと掃除
製造にかかるエネルギー
太陽光発電システムで賄える電気の量
設置工事にかかる日数
設置費用は何年で回収できる?
維持管理費はどれくらいか?
故障した場合
設置後のトラブル
太陽光発電システムの価格帯
太陽光発電システムは太陽電池の他、パワーコンディショナーや架台などによって構成されておりそれらを合計した場合1キロワット当たりの平均価格は60万円以下になっています。
これは2011年の価格であり数年前までは約70万円、10年以上前は100万円前後だったことを考えると価格は確実に低下しています。
しかし反面、補助金もそれに伴い低下してきています。
太陽光発電システムの購入を検討されている方は、まずは複数の販売会社から見積もりを取る必要があります。
決める際には値引きされることもあるかと思いますが、過度の値引きは手抜き工事につながる可能性もあるため注意が必要です。
相場価格というのも見積もっておきましょう。
システム容量と実際の出力差はどれくらいか?
太陽電池の公称出力はJISが定めた基準により規定されています。
実際に工場から出荷されるモジュールは公称出力の誤差10%はあると思っておいて下さい。
例えば公称出力150ワットのモジュールであれば135〜165ワットの能力があればいい方です。
しかし実際には基準状態と同じ自然環境というのはそうそうなく、またモジュールの温度が上がることも考慮すると10〜20%低下します。
さらにパワーコンディショナーなどの働きに伴って失われる電力を考慮すると出力は60〜80%くらいまで下がってしまいます。
この誤差についても考慮しておいて下さい。
太陽電池の寿命
太陽電池の寿命というのは正直不明です。
メーカーの期待寿命は20〜30年としていますが実際のところは分かりません。
ちなみに1960年代に設置された灯台用の太陽電池は現在でも稼動しています。
一方太陽光発電システムはシステムで稼動するために付随したパワーコンディショナーには寿命があります。
大体10年で寿命を迎えるものと思っておいて下さい。
多くのメーカーはパワーコンディショナーの保証を1〜数年としておりシステム全体としては10年の保証を付けるところが多いです。
日中であれば停電時にも使えるか?
太陽光発電は停電時であっても晴れてさえいれば電力を賄うことができます。
しかし自動ではありません。
メーカーや機種により操作方法が異なるため説明書を参考にして下さい。
まず「自立運転コンセント」が必要なのでその場所を確認しておいて下さい。
大体パワーコンディショナーの付近にあります。
次に主電源と太陽光発電のブレーカーをOFFにします。
これで商用電源と独立させた後に自立運転モードに切り替え、自立コンセントにつなぐだけです。
但し太陽光なので出力は安定しません。
できれば事前に停電時でも使うと思われるような携帯電話やノートパソコンや電気製品の出力をあらかじめ知っておいて下さい。
太陽光発電のメンテナンスと掃除
太陽光パネルについたほこりや砂埃などの汚れは普通は雨で洗い流されます。
油分を含む汚れが自然に洗い流されるのは困難ですが、通常の汚れに対しては気にする必要はありません。
実際には場所により汚れ具合はかなり異なり、モジュールの角度や構造によっても異なりますが、しっかりとした調査がされたことはありません。
極端に出力が落ちた場合は屋根にのぼるのは危険なのでメーカーや設置業者に相談して下さい。
製造にかかるエネルギー
太陽光発電は化石化燃料を使用しないため二酸化炭素を排出することはありません。
しかし太陽電池やパワーコンディショナーを作るにはエネルギーが必要です。
このエネルギーの元をとるのにかかる時間をエネルギーペイバックタイムといいます。
エネルギーペイバックタイムは大体2〜3年くらいですが、これ以降の17〜18年間は化石燃料に頼らないで純粋に太陽光発電で電力を生み出すことができます。
太陽光発電システムで賄える電気の量
発電量は様々で1キロワットのモジュールは年間で大体1000キロワット時の発電量を得ることができるようになっています。
したがって一般家庭向けの標準とされる発電量3キロワットのシステムでは年間3000キロワット時の発電量となります。
一方消費電力については夫婦と子供2人からなる4人世帯では電力使用量が280キロワット時、年間3360キロワット時の使用量が推定されているため大体90%の電力を賄うことができます。
この割合は3.5キロワットのシステムを搭載することで100%になります。
節電次第では100%近くなることもありますが仮にできたとしても夜間は発電できないので電力会社から買う電気が0になるわけではありません。
設置工事にかかる日数
太陽光発電の設置は、設置自体は1〜2日で終了しますが既築の場合は足場の組み立てにも解体作業にも日数を要するため、また天候のことも考えて多くて1週間は見ておいた方がいいです。
また屋根の形状や設置環境など事前調査には半日はかかります。
設置・配線の工事が1〜2日程度でも電力会社と発電電力の売買契約締結には1カ月ほどは必要です。
場合によっては太陽電池の生産が需要に追いつかずすぐにできない場合も考慮に入れておいて下さい。
設置費用は何年で回収できる?
最初の設置の段階で補助金を使用しなかった場合は必然的に回収の日数も長くなります。
また契約によっても異なり、昼夜区別がなく使用量に応じて一定の金額がかかる従量電灯は回収に30〜40年はかかるけど時間帯別契約の場合20〜30年で初期投資は可能となります。
更に国や地方自治体のの補助金を利用したり売電による収入を得ることができれば、回収までの年月も10年前後と大幅に短くすることができます。
維持管理費はどれくらいか?
太陽光発電システムは不具合が発生しなければ維持管理費はほとんどかかりません。
メーカーの10年保証を受けるためにはメーカーの定める4〜5年おきの有償点検を受ける必要はありますが、同じ自然エネルギーの風力に比べたら大分安いです。
掃除やメンテナンスも必要がなく太陽光発電システムにかかる費用は大体設置のときだけとなります。
故障した場合
万が一故障した時に備えて「取り扱い説明書」「保証書」「基本仕様書」「単線結線図」「太陽光モジュール結線図」を準備しておく必要がありますが、基本的には設置業者やメーカーに相談するといいです。
パワーコンディショナーの表示部に異常コードがされているものもあります。
そうした異常コードが表示された場合「取り扱い説明書」にその異常コードへの対応が書かれています。
それに従っても改善されない場合はパワーコンディショナーの運転を停止して系統連携用のブレーカーをOFFにして設置業者かメーカーに直ちに連絡するのが良いです。
設置後のトラブル
実際に太陽光パネルを設置された人の20%以上は何かしらのトラブルに直面しています。
このうち半数以上はパワーコンディショナーによるものです。
症状としては太陽光発電システムの停止やモニターの異常、発電低下、不足などが上げられます。
またモジュールも故障がないわけではありません。
モジュールの表面は強化ガラスでできており、たとえ4センチの雹が降ってもモジュールを守りきる設計になっていますが裏面は樹脂による保護だけななので取り扱いには注意が必要です。
トラブルを早期発見するためには発電量をまめにチェックするといいです。