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太陽光パネル中国の安売りについて

 
2013.9.12日本経済新聞より



中国製太陽光パネルのダンピング問題でEUと中国が和解し、輸出が規制されることになった。

それまで中国で生産されるパネルの6割がEUに輸出されてきたが、行き場を失ったパネルの輸出先は再生可能エネルギーの全量買い取り制度が導入された日本市場に向けられることになった。

世界最大の太陽光パネルメーカー、中国インリーグリーンエナジーは一気に対日出荷を前年比の20倍以上の45万キロワットに積み増す模様だ。

この数値は国内5位の三菱電機の生産量に匹敵する。


全量買い取り制度で、20年間同一で高く設定された売電価格は、安定収益が見込めるとして企業のメガソーラー事業に拍車を掛けた。

国が認定済みの導入計画は3月末時点で2000万キロワットで原子力発電所20基分に相当する。

市場拡大に合わせてシャープや京セラなど大手は大増産に動いているがそれでも満たせる需要は2割程度で海外勢には十分開拓の余地がある。

しかし日本企業の危機感は薄く「品質や保守は日本が上だ。」と自負する。

また企業がメガソーラー建設の融資を受ける際に大手銀行の出す条件に、日本製パネルの採用を条件に掲げるケースが多い。

しかし買い取り制度が保証する高い利益率を目当てに、米ゴールドマンサックスを始めとする海外ファンドが続々巨額投資に踏み切ろうとしいている。

この場合は自前で資金調達をできるため、日本製のこだわりは少ない。


更にEUで問題視された中国の安売り攻勢が日本でも起きかねない。

日本は反ダンピング措置にむしろ消極的で自国製の保護に動くのは難しいと政府関係者は言う。

日本の太陽光パネル市場は2兆円規模で金額ベースで1位になると予想しすでに海外勢は2割を占めている。

今後はこの割合が少しずつ増えてくることは想像に難しくない。



ダンピング:不当廉売(市場の健全な競争を妨害するほど安い価格で商品を売ること。)

米ゴールドマンサックス:アメリカの金融グループであり、世界最大級の投資銀行。
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