太陽光パネル設置費用TOP > 太陽光発電に関する基礎知識 > 太陽光パネルの設置費用と太陽電池の種類

太陽光パネルの設置費用について

 
太陽光パネルの設置費用は発電量1kwあたりの単価で決まりますが屋根の形や太陽光発電の種類、新築かりフォームかの違い、依頼するメーカーによって違いがでてきますので価格はかなりばらついてきますが大体55〜65万円/kwが相場となっています。

それ以上のkw単価になると国からの補助金が対象外になってしまうため上記の範囲に収まるように見積もる業者が多いです。

大体家庭用システムでは3〜4.5kwが標準的なので165〜240万円くらいになると考えておけば無難です。


費用の内訳としては以下のように割り当てられます。

1、太陽光発電本体価格

2、工事費(屋根、電気等)

3、太陽光パネル設置に必要な架台

4、メーター

5、諸経費(運搬等


これらは実際に依頼するメーカーによってかなりばらつきますので設置を考えている人は販売仲介サイトを利用した太陽光発電システム販売業者無料一括見積りを利用してみて下さい。記入の仕方は太陽光パネル設置費用を参考にして下さい。

利用する利点が二つありますが一つ目は単純に業者比較ができるということです。希望するメーカーがあるならそれを交えることもできます。

二つ目は仲介サイトを利用することで業者から無訪問で見積もりが取れるためしつこい営業を避けられるといった点です。

二つ目は結構重要な点で直接業者に依頼すると押し売りされたり、わざと高い金額で持ちかけられるケースも少なくありません。

よって複数社で見積もりを取るというのは重要なことなのです。


太陽電池の種類


一般家庭で使われている太陽光発電の太陽電池は、安価で大量生産が可能な多結晶シリコンタイプで、メーカーが主力としているのもこのタイプですが、ここではそれ以外の太陽電池を見ていきたいと思います。

薄膜シリコン太陽電池
化合物系太陽電池
色素増感太陽電池
有機薄膜太陽電池
タンデム構造
蓄電の問題


薄膜シリコン太陽電池

太陽電池の仕組みで説明したように、太陽電池の中核はpn接合でその上下にシリコン層があれば発電することができますが、このシリコン層を極力薄くしたものが薄膜シリコン太陽電池です。

シリコンをガス状にしてガラスなどの基板の上に原始レベルで吹き付けるもので、厚さは0.3〜2マイクロメートルほどです。薄いため穴を開けやすくシースルータイプのものも作れます。内部は結晶シリコンとは異なって原始配列が不規則です。これをアモルファスと言います。

薄いため、軽量で布のように曲がり、設置場所を問いません。使用シリコン量も結晶タイプのものに比べて1/100以下に抑えられておりその分安価です。電卓に使われているアモルファスシリコン太陽電池のコストは1円程度です。一方モジュール変換効率は10%と低くなってしまうのが欠点です。(単結晶シリコン18%、多結晶シリコン16%)

薄膜シリコン太陽電池は注目度が高く、技術競争も激しく、性能(変換効率)が上がればいずれは結晶シリコンに取って替わって主流になると言われています。


化合物系太陽電池

シリコンは半導体としての性質がありますが、他の単独では半導体としての性質がない元素を複数組み合わせることで、半導体としての性質を持たせることができます。これを使った太陽電池を化合物系太陽電池と言います。

使用する元素によって非常に高価なものから安価なものまで、変換効率も高いものから低いものまで作ることができます。宇宙線に対して耐性の高い元素を使えば人口衛星の電力源としても利用できます。

化合物系太陽電池の材料には銅(Cu)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、ヒ素(As)、セレン(Se)、テルル(Te)等が使われています。CIS太陽電池では、Cu、In、Seが組み合わされており、CIGS太陽電池であれば、Cu、In、Ga、Seが組み合わされており、CdTe太陽電池であればCd、Teが組み合わされています。

化合物系太陽電池はシリコンを使わないため、シリコンの供給量に影響がないという利点があります。CIS太陽電池ではモジュール変換効率が12%とシリコン型より落ちます。

CIS太陽電池は安価な大量生産を成し遂げるため、2011年4月ソーラーフロンティアが宮崎県で世界最大となる工場を立ち上げました。




色素増感太陽電池

マルチカラー太陽電池として使えるものでどんな色にも対応し、携帯電話、時計、ノートパソコン、ステンドグラスなど、その色に合わせた電池を作ることができます。


色素増感太陽電池はシリコンや化合物系とは異なり、pn接合を持ちません。かわりに酸化チタンの粒子を色素で着色し電解液の中に入れ、光を当てますと色素から電子が出ます。その後電子は酸化チタンを経由した後外部へ流れ出し、電解液へ戻ります。一方電子を失った色素にはホールが発生し、ここに電解液から電子が入り込んできます。

色素増感太陽電池はアモルファスと同程度の10%のモジュール変換効率がありますが、耐久性に問題があるためまだ実用化はされていません。しかし曇りや雨の日等、光の強さの影響を受けにくいので、やはり期待が寄せられています。


有機薄膜太陽電池

電子を放出しやすい分子と電子を受け取りやすい分子を混ぜて、紙やプラスチックに吹きつけたもので、これに光を当てると電子とホールを発生し電流を流すことができるという仕組みです。

現在は未まだ開発段階で扱う材料についても研究中です。モジュール変換効率は7〜9%ほどしかありませんが、印刷機で大量生産できることからコスパが良く、15%を達成するよう開発が進められています。太陽電池の最終形とも言われ、将来的には大きく普及すると見られています。




タンデム構造

太陽光には紫外線、可視光線、赤外線に至るまで様々な波長の光が含まれていますが、各種の太陽電池が吸収できるのはこれらの一部だけです。アモルファスシリコンの場合波長の短い光(可視光の青や紫外線)を吸収しやすい一方、微結晶シリコン(アモルファスシリコンとナノサイズシリコンが混じったもの)は波長の長い光(可視光の赤や赤外線)を吸収しやすいです。

これらを組み合わせることでより広いスペクトルで光を吸収でき、変換効率を上げることができます。


アモルファス太陽電池を上段に、微結晶シリコン太陽電池を下段に積層させれば変換効率を13%まで上げることができます。(アモルファス単独では10%)このような異なる太陽電池を積み重ねることで変換効率を上げる構造をタンデム構造と言います。


蓄電の問題

太陽光発電は発電はするものの蓄電するにはロスが多く、余剰電力は売電ということになりますが、なぜこれを蓄電して使うことが難しいのかを説明しておきます。

発電所から一般家庭へ流れる電流は交流なのをご存知かと思います。これは電圧を変えることが容易で、大容量の電力が必要な家電製品にも対応しているからです。

一方太陽光発電により生成される電力は直流です。ほとんどの電化製品は交流電圧に対応していますので、これを一旦コンディショナーによって交流へ変換させる必要があります。これによって分電盤を通してコンセントから取り出すことができて使えるのです。

蓄電池はリチウムイオン電池が候補ですが、これは直流を蓄えますので、分電盤を通ってきた交流を直流に戻し蓄電することになります。一回の直流から交流、或いは交流から直流の変換には10%程度ロスが発生するため、2回の変換で90%×90%=81%となり約2割もの電力を無駄にしてしまうのです。

蓄えた電流を使うともなれば、更に交流に戻しますのでここでもロスが生じ、非常に効率が悪くなってしまうのが分かるかと思います。

しかし東日本大震災より、蓄電して使う方法に注目が高まっています。これは太陽光発電した電力をそのまま直流として蓄え、ノートPCや液晶テレビ、LED照明など直流対応電化製品へアダプタを介さず流して使い、残った電力をコンディショナーへ送るやり方です。よってこれには直流用コンセントと交流用コンセントが必要になってきます。



単結晶シリコン型



最も古いタイプで光エネルギーを電気エネルギーに変換させる変換効率が20%と非常に高いですが価格が高くなるという特徴があり現在は減少傾向にあります。







多結晶シリコン型



現在最も人気のあるタイプでシリコン量が少ないため大量生産に向き低価格で比較的変換効率も高いです。とはいっても単結晶シリコン型よりは低いです。シャープや京セラ、三菱電機が主に提供しています。







アモルファスシリコン型



シリコンの薄膜をガラスに付着させて作るタイプでシリコン使用量がシリコン型に比べ極端に少なく量産に向き価格も安いですが変換効率は10%以下と決して高くありません。しかし他のタイプと違って高温環境下でも出力が落ちにくいという長所があります。尚アモルファスを素材にしたシリコンは電卓の太陽電池にも使用されています。







化合物型



現在ではシリコンを使わない半導体タイプのものに需要が出てきています。将来のシリコン不足を考えても今後ますます人気が出るものと思われます。化合物型には銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)を組み合わせたCIS型や、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)を組み合わせたCIGS型などがあります。

2019.8.3記事作成
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