ポーカートラッカー4の使い方ガイド

ポーカートラッカーは2001年以来オンラインポーカープレイヤーをサポートするために開発されたヘッズアップディスプレイ(HUD)で、改良を加えられ現在はポーカートラッカー4にバージョンアップしています。ホールデムマネージャー3とほとんど同じツールで、どちらかを使う方がほとんどです。今回はこのポーカートラッカー4をレビューします。

 

ポーカートラッカー4とは

ポーカートラッカー4はヘッズアップディスプレイ(HUD)で、あなたがプレイしたハンドを全部チェックして相手のプレイをリアルタイムで分析し数値化して、ディスプレイ上に表示してくれるツールです。その他にもプレイ履歴を再生したり、プレイ傾向を分析したり、収支やレーキを一目で見ることができます。

ホールデムマネージャー3と機能はほとんど一緒で、HUDはどちらを使っても問題ないと思います。ただポーカートラッカー4はMacにも対応していますので、Macユーザーの方はこちらを使う事になります。

 

ポーカートラッカー4をダウンロード

ポーカートラッカー4の価格は、ホールデムオマハ共$64.99(スモールステークス用)、$99.99(全てのステークス)、両方なら$99.99、$159.99になります。スモールステークス用はキャッシュゲームならバイインが25$、トーナメントならバイインは11$までしか使用できません。クレカとpaypalに対応しています。私はホールデムの$99.99の方を購入しました。14日間のフリートライアルもありますのでまずはそちらから試してみるのもいいと思います。まずはポーカートラッカー4の公式ホームページへ行きます。

サイトはクロームなら日本語に翻訳できます。最初にアカウントを作成します。フリートライアルの方はソフトを早速ダウンロードして下さい。

 

フルネームは例にならって苗字と名前の間に・を入れて下さい。私は最初間隔を空けなかったので何度もやり直してもエラーが出てきました。ユーザー名とパスワードはログインの際に必要です。その後ダウンロードして下さい。

 

これがアイコンです。

 

開くとこんな感じになります。

 

購入が済みますと24桁のRegistration Codesが頂けます。これはMy Accountからでも確認できます。ポーカートラッカー4を立ち上げる際にこのコードを入力すれば本使用になります。

 

基本設定

設定はホールデムマネージャー3と一緒で、ハンド履歴フォルダーから読み取ることになりますので、その保存先とポーカートラッカー4の読み込み先を一致させます。ポーカースターズで説明します。

 

ポーカースターズの設定のハンド履歴から、ハンドの保存先フォルダーを決めて下さい。その時英語で保存にチェックを入れます。(英語でないとポーカートラッカー4が認識できません。)

 

トーナメントサマリーから、この保存先フォルダーを決めて下さい。同様に英語で保存にチェックを入れます。

 

ポーカーネットワークからポーカースターズを選んで、Directories Configurationに保存先フォルダーを追加させます。これで保存先と読み込み先が一致したわけです。

 

稼働しているかキャッシュゲームで試してみます。テーブルに着いてプレイしてみますとHUDが表示されます。こうなればOKです。表示されない場合はポーカートラッカー4のGet Hands While Playingをクリックしてみて下さい。HUDがカードやチップに被って見えにくい場合は上の設定アイコンからUnlock Layoutより動かすことができます。

 

これがポーカートラッカー4の画面です。Play PockerにしてView Today’s Handsのキャッシュゲーム($)を見てみて下さい。ちなみにTはトーナメントのことです。ハンドが読み込まれているはずです。もし稼働していない場合はハンドの保存フォルダーに読み込まれているか確認してみて下さい。

 

HUDの編集

HUDはHudのEdit Hud Profilesより編集することができます。

 

これが編集画面です。

 

これはDefaultです。

メモ/VPIP/PFR/3Bet/FlopCB

プレイヤー名/スタックのBB換算/Fold to CB/ハンド数

このようになります。

 

HUDで取り扱える代表的なデータ

VPIP:VPIPとはMoney voluntary put in potの略で、プリフロップで自主的にポットに入れてくる割合のことです。要は参加率のことで、リンプにしろコールにしろレイズにしろブラインドポット以外は全てが計算の対象になります。0~15:非常にタイトで参加してくる時は大体いいハンド

15~20:タイトで堅実なプレイヤー

20~27:堅実なプレイヤーでいろいろなハンドお織り交ぜてくる

27~35:大目に参加しているややルーズなプレイヤー

35~:非常にルーズなプレイヤーでフィッシュの可能性が高い

 

PFR:プリフロップレイズ率で、どれくらいレイズで参加しているかを表します。例えばVPIPが22でPFRが18だとすると、ハンドの22%を参加していてそのうち18%はレイズで参加しているという意味になります。残りの4%はリンプやコールで参加しているということになります。大体ほとんどのプレイヤーでVPIPとPFRのギャップは5%ぐらいになります。

0~18:リンプを多様しすぎている

18~25:堅実なプレイヤー

25~30:アグレッシブでスリーベットやスティールを試みてプレッシャーをかけてくるプレイヤー

30~:ルーズすぎなプレイヤー

 

AGG:アグレッシブ係数のことで、フロップ後の(ベット総数+レイズ総数)/コール総数を現し、高くなればなるほどフロップ以後アグレッシブにプレイしていることになります。上手いプレイヤーは大体2.0~2.5の間に収まり、それはつまりコールの2倍くらいの割合でベットやレイズを仕掛けていることになります。

 

3Bet:スリーベット率で、プリフロップでスリーベットする機会が訪れた時にスリーベットする割合のことです。上手いプレイヤーは大体5~9%に収まります。それ以上であればし過ぎているし、それ以下であればしな過ぎと考えて下さい。

 

Fold to 3Bet:プリフロプでレイズして、スリーベットを返せれた時のフォールドする割合です。

0~60:スリーベットにフォールドしなさすぎている

60~70:標準的な上手いプレイヤー

70~:フォールドしすぎているのでこういう相手には3Betが有力

 

Flop CBet:プリフロップでベットのリードを持っているプレイヤーが、フロップでコンティニュエーションベット(コールも含む)を打ってくる割合です。

0~55:アグレッシブに攻めきれておらず、フロップでヒットしなかったら消極的になるか、或いはスロープレイをしすぎているかのどちら

55~75:標準的な上手いプレイヤー

75~:コンティニュエーションベットをしすぎなのでチェックレイズか、ポジションがある時はフロートが有力

 

Flop Check Raise:フロップでチェックレイズ(相手が最初にチェックし、こちらがベットしたらレイズ)する割合です。

~5:チェックレイズをほとんどしないプレイヤーですのでコンティニュエーションベットが有力

5~15:標準的な上手いプレイヤー

15~:ブラフでチェックレイズをしすぎているのでバリューベットが有力

 

Flpo Fold to CBet:コンティニュエーションベットを喰らった時フォールドする割合のことです。

0~50:ルースすぎるのでバリューベットが有力でセカンド、サードヒットくらいでもベットが有力

50~65:標準的な上手いプレイヤー

65~タイトすぎるのでブラフの頻度を増やすのが有力

 

Steal:カットオフ、ボタン、スモールブラインドのポジションで、スチールする(最初にアクションを起こせる)機会があって、どれくらいの割合でスチールしているかです。トータルで見ることもポジション毎に見ることもできます。

 

View Stats

View Statsより自分のハンドを分析することができます。以下キャッシュゲームとトーナメントに分けて説明します。

 

キャッシュゲーム

キャッシュゲームではプレイした日時と時間、ハンド数、収支と収支のグラフ化、レーキ等を見ることができます。レーキが見れるのはいいですね。zoomもここで見ることができます。またハンド数が貯まるとLeak Trackerにより自分のプレイが標準的なプレイよりどれだけかけ離れているのか見ることができます。

 

見返したいハンドがあれば日時からハンドを抽出できますので、そこから選びリプレイすることができます。

 

これがリプレイ画面です。

 

トーナメント

トーナメントではプレイした日時と時間、バイイン、収支、着順等がでてきます。リプレイはキャッシュゲームと一緒です。

 

感想

ホールデムマネージャー3と比べてグラフィカル機能が無いだけでほとんど一緒です。ソフトの構成としては寧ろ、ポーカートラッカー4の方が分かりやすいです。ホールデムマネージャー3を使っていればホールデムマネージャー3の方が良く、ポーカートラッカー4を使っていればポーカートラッカー4の方が良くなるといった感じに見えます。実際去年はホールデムマネージャー3を使っていましたが、ポーカートラッカー4に切り替えてみて3日で慣れました。必要な機能は揃っており、シンプルで扱い易いツールです。

 

ポーカートラッカー4

オーバーアクション

最近毎週土曜は欠かさず時間を作って、ポーカースターズのトーナメントへ参加するようにしていますが、2週連続であっさりと負けてしまいました。この負け方があまりにも良くなく、ポーカー初心者のするような負け方でした。全然上達していないことにがっかりしました。今回はその2例を見ていきたいと思います。

 

オーバーアクション1

$8K保証トーナメント 2020.12.5 9人テーブル ブラインド$150/300 ポット720(アンティ30)

プリフロップ:UTG2 $8953 CO $17339 BTN $18294 SB $21786(私) ♦Q,♥Q

クリスマスのシーズンでポーカースターズのテーブル画面もその雰囲気を醸し出しています。トーナメント開始から1時間半ぐらい経って、私にQQが入りました。UTG2が$600へレイズ、COが$1500へリレイズ、BTNがコールし、私のアクションにアクションが回ってきました。

 

これどうでしょうか。今考えるとコールが妥当だったと思います。QQは確かにモンスターハンドですが、その上位にはまだAA、KKが存在します。しかし私は自身のカードを過信しすぎてここでオールインしてしまいました。私のスタックは相手の3人共スタックをカバーしており、スクイーズの要領で3人共降りるだろうと思ったからです。しかしUTG2とCOはコールしてきました。しまった私はどちらかにこの時点で負けていると思いました。

 

UTG2は♣A,♣Jを開き、COは♦A,♥Aを開き、ボードには♥6,♥8,♠A,♣5,♣8が落ちてフルハウスのCOが大きなポットを獲得しました。かなりのオーバーアクションでトーナメントのこの段階とこのスタックサイズではやってはならないプレイでした。

 

オーバーアクション2

$8K保証トーナメント 2020.12.12 9人テーブル ブラインド$30/60 ポット144(アンティ6)

プリフロップ:UTG1 $11338 CO $9994 SB $9766(私) ♠K,♠A

トーナメント開始から23ハンド目で私にAKスーテッドが入りました。UTG1がリンプ、COが$180へレイズして私のアクションです。

 

これはどうでしょうか。フロップ後にポジションが無いことと、相手のレンジを絞り込むためここはレイズの方がいいと思います。私はCOのレイズ額の2.5倍少々の$460へリレイズしました。UTG1、CO共にコールしてきました。

 

フロップ:♦6,♣Q,♣K ポット1494

トップヒットトップキッカーです。いろいろなドローが見えているためここは当然ベットしていきます。私はポットの5割7分の$850をベットしました。少し小さく感じるかもしれませんが、スリーベットの入ったポットではポットに対するベットの比を少し下げるようにしています。UTG1はコール、COは$2872へレイズして再び私にアクションが戻ってきました。

これはどうでしょうか。COのプリフロップのアクションはレイズコールから、レンジはQQ、JJ、TT、AK、AQ、AJ、AT、KQ辺りに絞り込め(AA、KKならフォーベットしそう。)、更にフロップのアクションからQQ、AK、KQにまで絞り込めそうです。そう考えるとこのハンドは大部分のレンジで負けてそうですね。耐えがたきを耐えてここはフォールドするのが良かったと思います。実戦では未熟にもオールインしてしまいました。これもオーバーアクションです。UTG1はフォールド、COはコールしてきました。

 

ショーダウン

相手は♦K,♦Qを開き、ターンとリバーで♥9,♣9と落ちてツーペアの相手がポットを獲得しました。トップヒットトップキッカーはかなり強そうですが、相手のアクション次第ではフォールドしなければならないという教訓です。私は23ハンド目にしてワンペアで早くも脱落してしまいました。

来年はもう少し上手くプレイしたいものです。一年間どうもありがとうございました。年末のポーカーをお楽しみ下さい。

 

ポーカースターズ

ピュアブラフ

2023.7.31 記事編集

ポーカーのトーナメントで私が特に意識しているのが最終ハンドです。相手のハンドを上回るハンドでポットへ全額を投資していたのであればOKです。つまり捲られる負け方というのはしょうがないので、期待値が上回っていればいいということですね。

 

損切り

$8K保証トーナメント 2020.11.21 8人テーブル ブラインド$300/600 ポット690(アンティ30)

プリフロップ:UTG2 $16397 BB $11251(私) ♠J,♣J

UTG2が$600でオープンしてきました。ここはコールも妥当だと思いますが、ポジションが無いことやアーリーポジションからのまともなプレイヤー(VPIP17)からのオープンで、AA、KK、QQの可能性もあり、セットを引けなかった後のフロップ後のプレイが難しくなりそうなことからフォールドすることを選びました。

尚コールするならフロップでセットが引けなかった場合は、このポットを大方諦めることになります。

 

ピュアブラフとは

ピュアとは純粋なという意味ですが、その名の通りピュアブラフとは純粋なブラフを指し、ショーダウンされたらほぼ負けになるだろうハンドでブラフをすることです。負けハンドを勝ちにしてしまうのですから、ポーカーの花形的なプレイで、最も技術の必要なプレイとなります。

 

ピュアブラフが成立しそうな場面

A,KスーテッドでBTNから3BBでオープン、SBがついてきました。フロップは両者共チャックし、ターンでは相手がチェックをしてきました。相手が2回チャックしたところを見ると、それほど強いハンドではないことが伺えます。私は4.5BBをベットしポットを取りに行くと、相手は9BBにチェックレイズしてきました。こちらにはポジションがあるし、ポットがそれほど大きくないので私はコールしました。

 

リバーで相手はチェックしてきました。リバーで何らかのヒットは有ったと思うのですが、私はランナーランナーだと推測しました。それならドローは引けてないし、少なくとも相手のハンドは強いとは思えません。こういう状況こそピュアブラフを試みるチャンスです。相手がずっと弱みを見せてきて、ベットすればポットを取れそうな感じの状況です。こちらはBTNからのオープンですので、参加ハンドレンジが広く、このテクスチャーでも何がヒットしていてもおかしくないのが与えるプレッシャーとなっています。私は18BBをベットし、相手はフォールドしました。

 

ピュアブラフ

$8K保証トーナメント 2020.11.21 9人テーブル ブラインド$500/1000 ポット2400(アンティ100)

プリフロップ:MID2 $13597(私) ♣J,♣Q BB $18514

私のCSI(チップステイタスインデックス)を計算してみます。CSI=スタック÷(SB+BB+アンティ×テーブルの人数)です。13597÷(500+1000+100×9)≒5.67<7

CSIが7以下は、全てのペアとスーテッドコネクターでプリフロップオールイン、それ以外はフォールドというプレイが一般的です。しかし今回は少しひねってみました。私は$2200でオープンしました。これに対してBBがコールしました。

 

フロップ:♠2,♣4,♦A ポット5800

相手はチェックしてきました。これはこの上無い状況です。ポジションがある上に、リードのある私がAのヒットをリプレゼントできるからです。

問題は額ですが、Aがもし本当にヒットしていた時どれぐらいベットするかを考えます。相手についてきてほしいと思いますので、ポットの半分を少々下回る$2800ぐらいをベットし、手元にドル8597を残すのがバランス良さそうです。その通りにし、相手はコールしてきました。

 

ターン:♥2 ポット11400

相手はまたもやチェックしてきました。相手のレンジは恐らくA以外の何らかの上位ペアだと思われます。降ろせそうですので、ここはさらに強気でいきます。

私は$3800をベットしポットコミットを伝え、リバーでオールインする意思表示をしました。

 

相手はフォールドし私がポットを獲得しました。ピュアブラフはボードとアクションが一致している場合成功しやすいです。

 

モンスーンボード

$8K保証トーナメント 2020.11.28 9人テーブル ブラインド$200/400 ポット960(アンティ40)

プリフロップ:UTG2 $8666 CO $13596 BB $19111(私) ♣A,♦A

UTG2がリンプ、COが$1200へレイズし私にアクションが回ってきました。ここは素直にプレイし、スリーベットしたいところです。私は$3600へリレイズしました。UTG2がフォールド、COがコールしてきました。

 

フロップ:♥6,♥4,♥5 ポット8160

ポケットAなのにこれほど嫌なフロップもありません。ボードは最悪のモンスーンボードです。しかもこちらにはポジションがありません。私は考えましたが少し大き目のベットを打つことに決めました。もし相手がドローならいいオッズを与えたくないため、ここでここでプロテクトしたかったからです。ただこのプレイにはリスクもあり、相手がもし完成していれば大きな損害を被る可能性もあります。しかし最悪オールイン勝負になって負けてしまってもショートスタックは残るというわけです。

私は$7000をベットしました。すると相手はオールインしてきました。私は予定通り$2996を上乗せし、$5915を手元に残してコールしました。

 

ショーダウン

相手は♠7,♦7を開き、ボードには♦2,♥2が落ちて、私が守り切りました。

案の定相手はドロー含みでしたので、フロップの大きなベットは正しい判断だったと言えます。但し相手にがあるだけで私の負けでしたので、モンスーンボードは怖いですね。

 

ポーカースターズ