スロープレイする者の心理

麻雀ではMリーグが最終日を迎えましたが、日本のポーカーにはこのような企画がないですよね。日本でポーカーが受け入れられるようになるにはカジノが解禁して、ポーカールームもできて、麻雀のように庶民的にならねばなりませんが、まだ大分先といった感じがします。

ポーカーは麻雀よりももっと技術の差が出ると思いますのに、お金を賭ける要素が絡んできますのでギャンブルのように考えられてあまりいいイメージはないのでしょうね。ちなみに私は元々このようなゲームが好きな質で、きっとお金を賭けずともやっていたような気がします。

 

スロープレイする者の心理

2.5K保証トーナメント  9人テーブル ブラインド$60/120 ポット300(アンティ15)

プリフロップ:SB(私) $2165 ♦K,♥T BB $7998

KTオフスーツは決して強いハンドではないですが、ブラインド同士の対戦になった場合はレイズに取るハンドです。私までフォールドで回ってきて、私は$300へレイスしました。相手はコールしてきました。

 

フロップ:♣9,♠K,♣K ポット720

フロップでトリップスがヒットしました。フラッシュドローは見えていますが、ここでベットして降りられても面白くありませんので、私はチェックしました。相手もチェックしました。

 

ターン:♥A ポット720

これはやや面白いカードで、相手がA持ちならペイオフしてくれそうです。私は相手を罠にかけたいのでまたもチェックしました。相手はそこで$360をベットしてきました。強いハンドを持っている者の心理としては、相手に降りられないくらいのベットを上乗せしたいのです。そこで私は$720へレイズしました。相手はコールしました。

 

リバー:♣T ポット2160

相手が♣2つ持ちならここでフラッシュが完成していることになりますが、その可能性は低そうです。私は$2160のポットに対して$1205をオールインしました。相手はコールし、♠2,♦Aを開いて私がポットを獲得しました。

 

VPIP53

2.5K保証トーナメント  9人テーブル ブラインド$75/150 ポット405(アンティ20)

プリフロップ:MID1(私) $3580 ♥Q,♣Q BTN $15504

ポケットQはプリフロップでま間違いなく強いハンドですが、ボードにAかKが落ちてしまえば、たちまちそれほどえばれなくなってしまうハンドです。私にアクションが回り$400へレイズしました。BTNだけがコールしてきました。BTNはVPIPが53ですのでとてもレンジは広いと考えられます。

 

フロップ:♥7,♠A,♠K ポット1205

私にとってはあまりいいフロップとは言えません。AKが落ちてる上にいろいろなドローまで見えています。しかし相手のレンジも広いので、ここはベットして自分の立ち位置をはっきりさせる必要があります。私は$700をベットして手元に$2480を残しました。相手はコールしました。

 

ターン:♠3 ポット2605

相手のレンジは依然広く、フロートして何も持っていないとも考えられます。しかしここでベットしてレイズが返ってきますと、それは恐らく負けていることを意味します。私はチェックしました。すると相手は$1172をベットしてきたのです。相手のスタックサイズから考えますとやや小さな額の気がしました。普通なら降りるべきところなのかもしれませんが、相手の広いレンジとフロップまでの弱気なアクションからブラフベットの可能性が高いと踏んで$2480をオールインしました。

相手はほどなくフォールドして、私が$4949のポットを獲得しました。オーバーカード2枚、フラッシュが見えているボードで、相手のVPIPが53というとほうもない相手でなければできないプレイで、ホールデムマネージャーのデータが生きたハンドでした。

 

逃れにくいハンド

2.5K保証トーナメント  9人テーブル ブラインド$200/400 ポット1000(アンティ50)

プリフロップ:BTN(私) $11329 ♦K,♥T SB $23613

トーナメントも中盤に入ってブラインドスチールも必要になってくるところです。ボタンの私までフォールドで回り、私は$1050でオープンしました。SBがコールしてきました。

 

フロップ:♥7,♥K,♣T ポット2900

これはコールのレンジにヒットしてそうなカードですが、相手はチェックしてきました。私もチェックを返しました。

 

ターン:♠J ポット2900

これはありがたいカードですが、相手は$1200をベットしてきました。

微妙な決断を迫られてるところですが、Jがヒットしてガットショットストレートドローもありますのでフォールドしにくいのです。かといってレイズしてリレイズが返ってきたら、フォールドせざるを得ませんのでここはコールしました。

 

リバー:♣2 ポット5300

相手は今度は$2800をリードしてきました。これもまた微妙で難しいのですが、相手がKを持っていたらフロップでいろいろなドローが見えるボードではベットしそうなので、シックコールすることにしました。相手は♠K,♠6を開きポットを獲得しました。このようなスロープレイをされますと逃れるのは難しいです。

 

ポーカースターズ

チェックレイズ

ポーカーは麻雀と同じようにスキルと運のゲームですが、ポーカーは1ハンドの時間が短くその分多くのハンドがプレイできますので、ポーカーの方が技術の比率は大きい感じがします。

その分やりがいもあるのですが、多くのハンドがプレイできるということはその分運によるブレも激しくなりますので、正しいプレイができたとしても大体最後は理不尽な負け方をして、サックアウトしてしまい苦痛が残るというのがトーナメントにはありますね。

おすすめの書籍はオンラインポーカーで稼ぐ技術です。扱われているハンドの中に多くのヒントが隠されており、値段以上の価値はあると思います。

 

チェックレイズ

$750保証600人Capトーナメント 9人テーブル ブラインド$15/30 ポット77(アンティ4)

プリフロップ:UTG1 $2996 MID $2996 CO $2996 SB(私) $2981 ♠A,♠Q

AQスーテッドは上位5%のレンジに入るため、ポジションをカバーするに足るハンドです。UTG1が$66でオープン、以下MID、COがコールして私のアクションの番です。コールをしてフロップを見に行くのもいいと思いますが、参加人数を減らすため私は$188へレイズしました。これに対してUTG1とMIDがコールしてきました。

 

フロップ:♥3,♠T,♠5 ポット692

私はフラッシュドローとオーバーカード2枚がヒットし、かなりいいフロップです。このままアグレッシブにプレイするのもいいと思いますが、チェックレイズも有効なプレイだと思います。私はチェックしました。UTG1は$208をベット、MIDはコールしました。私はそこへ$800へレイズしました。

これに対してUTG1はフォールドし、MIDはコールしてきました。

 

ターン:♦Q ポット2500

ターンでQがヒットし、トプヒットトップキッカー、フラッシュドローになりました。これはセットでも作られていない限りはベストハンドだと思います。相手のレンジはTを含むスーテッドコネクター辺りかと推測しました。私はこのポットに全部つぎ込むつもりで、$1200をベットしました。すると相手はオールインし、私もコールしました。

 

ショーダウン

相手は♦A,♥Qを開き、リバーでは♠2が落ちてフラッシュに昇格した私がポットを獲得しました。

フロップでドローがヒットした時、チェックレイズはよくされるプレイですが、これはその典型でした。

 

弱いキッカー

$750保証600人Capトーナメント 9人テーブル ブラインド$25/50 ポット123(アンティ6)

プリフロップ:UTG1(私) $10044 ♥A,♥2 MID $3659 CO $3100 SB $5621 BB $9642

A2スーテッドはストレートとフラッシュの可能性を秘めたエクイティのあるハンドといえますが、Aヒットの時はキッカーが弱いため気を付けなければいけません。最初は私のアクションですので標準額3BBの$150でオープンしました。MID、CO、SB、BBがコールして多人数参加となりました。

 

フロップ:♠A,♣9,♦6 ポット798

トップヒットと弱いキッカーです。私はポットの半分を少々上回る$450をベット、COだけがコールしました。

 

ターン:♣K ポット1698

フロップでフラッシュドローの見えないボードで、COは2人のアクションを残したまま私のベットにコールしてきました。セカンドヒットということは無さそうです。相手はAX、78スートッド、99、66といったレンジが考えられます。大部分は私が負けていそうなので、ポジションの悪い私は深追いせずここで諦めることにしました。私はチェックし、相手は$985をベットし、私はフォールドしました。いくらトップヒットでも、キッカーがこうも弱くてはこれ以上のアクションを起こす気にはなれません。

 

Aのヒットをリプレゼント

2.5K保証トーナメント  9人テーブル ブラインド$350/700 ポット765(アンティ85)

プリフロップ:SB(私) $4413 ♥Q,♣T BB $29955

私のところまで全員フォールドで回りました。QTオフスーツはブラインド対ブラインドでは悪くない手ですので、私は$1500へレイズして$3263を手元に残しました。BBはコールしてきました。

 

フロップ:♣A,♣3,♥2 ポット3765

これはいいボードです。Aが落ちてくれたので、前のアクションに引き続いてAのヒットをリプレゼントできるからです。私は$3263ををオールインしました。相手はフォールドし私がポットを獲得しました。

このようにプリフロップで強みを見せると、フロップでAが落ちた時、Aのヒットをリプレゼントできるのが妙味です。

 

ポーカースターズ

完成しなかったドローの心理

日本でポーカースターズのアカウントを作れないという質問を最近いただきました。私が問い合わせてみたところ、日本人はポーカースターズの対象国で、特に禁止されてるということはありませんでした。そもそも私がやっていますからね。またポーカースターズへの質問に対して返信が無いという問い合わせもあり、それも聞いたところ、コロナの影響で返信が十分でないとも言っていました。

最近私は外出控えめで、トーナメントを研究して実戦しているのですが、中々入賞すら果たせません。

 

トップヒットトップキッカー

10K保証トーナメント 9人テーブル ブラインド$25/50 ポット129(アンティ6)

プリフロップ:UTG $4994 MID2(私) $5401 ♠A,♠K

AKスーテッドはかなり強いハンドなのでオープンならどのポジションからもレイズで入り、相手からのレイズに対しても大体はリレイズで返しています。UTGは$125へレイズして、私にアクションが回ってきました。私は$360へリレイズしました。これに対してUTGだけがコールしてきました。

 

フロップ:♠J,♣9,♣K ポット849

これはコールに噛み合っていそうなボードでいろいろなドローが見えていますので、トップヒットトップキッカーといっても油断はできません。相手はチェックしてきました。

ここで相手のレンジを考えてみますと、下位~中位のポケットペア、KQ~54くらいのスーテッドといったところが考えられます。

セットも含めてもし相手がこのボードにヒットしていたら、ドローが見えていますので恐らくベットしただろうと思いました。この時点で私は勝っていると思い、ドローを消すため$750をベットしました。すると相手は$1800へレイズしてきました。

このチェックレイズはどうもセミブラフっぽい印象を受けました。♣K♣Q、♣Q♣J、♣J♣T、♣T♣9、♣9♣8のようなダブルドローも考えられます。アウツはMAXで13枚くらいはありそうです。

こうなるともう1枚もカードを引かせくはありません。相手のスタックはまだフォールドする余地をぎりぎりで残していると思えます。私はオールインしました。相手は即座にコールしました。

 

ショーダウン

相手は♦J,♦Kを開き、ボードには♦7,♥5が落ちて、ツーペアの相手がポットを獲得しました。

これはやられたと思いましたが、フロップツーペアでこのボードなら普通はベットしてくるところなのです。しかしトップヒットトップキッカーは過信しやすく、ベットが返ってきたら大きく負けやすいハンドだと思いました。

 

完成しなかったドローの心理

3K保証トーナメント 9人テーブル ブラインド$15/30 ポット81(アンティ4)

プリフロップ:UTG2 $2996 MID1 $2996 BTN(私) $2996 ♥4,♥5 BB $2966

一番最初のハンドです。ペアやスーテッドコネクターはブラインドが低い段階ではバリューが大きくなります。UTG2が$66へオープンし、MID1がコールして私のアクションとなりました。どちらかと言うとフロップを安く見たいハンドですのでコールしました。BBが続いて4人でフロップを見に行きます。

 

フロップ:♥9,♣7,♥K ポット$315

フラッシュドローがヒットしました。UTG2は$123へレイズし、MID1がフォールドしました。私はスタックが深いのでセミブラフよりもコールを選びました。BBはフォールドしました。

 

ターン:♦3 ポット$561

相手は$449へレイズしました。これが丁度いい金額で私は困ってしまいました。ここはフォールドが妥当だと思いますが、私はコールしてしまいました。

 

リバー:♦A ポット$1459

フラッシュは完成しませんでした。相手はここでチェックしてきました。相手のレンジとしてはAK、KKぐらいで、いずれもはっきり負けています。ここは諦めるべきでしたが、私は$1000をベットしてブラフを試みてしまいました。相手はコールして♣A,♣2を開きポットを獲得しました。

読みは外れていましたが、これは私の失敗ハンドです。これを何で書き留めておくのかといいますと、ドローで失敗したものの心理として、大きくなったポットをブラフで取ってみたくなるの気を起こさせると思ったからです。

 

トップボトムツーペアとモンスーンボード

3K保証トーナメント 9人テーブル ブラインド$20/40 ポット105(アンティ5)105

プリフロップ:HJ(私) $3059 ♣T,♣A BB $4492

ATスーテッドは上位10%に入るハンドであり、どのポジションからでもオープンに足るハンドです。私の前までフォールドで回り私は$120でオープンしました。BBまでフォールドで回りそこで$320へのリレイズが入りました。ここはコールしてフロップで検討し、ポジションを生かしたいところです。私はコールしました。

 

フロップ:♦A,♦T,♦J

フロップはかなりウェットなモンスーンボードです。いろいろなドローが見えすぎておりで、下手するとロイヤルストレートフラッシュすらあります。しかしこちらはトップボトムツーペアで現状は勝っていそうな気もします。相手は$360をベットしてきました。

相手はまともなプレイヤーで、プリフロップでレイズをしてきており、レンジを考えますとJJ+、AJ+ぐらいだと考えました。しかし私はAを持っていますのでAA(1通り)、KK(6通り)、QQ(6通り)、JJ(3通り)、AK(8通り)、AQ(8通り)、AJ(6通り)となります。このうち私が負けている組み合わせはAA(1通り)、JJ(3通り)、AJ(6通り)です。逆に勝っている組み合わせはKK(6通り)、QQ(6通り)、AK(8通り)、AQ(8通り)で、明らかに負けている組み合わせより多いです。ドローを引かれる可能性も高く私はオールインしました。相手は即座にコールしました。

 

ショーダウン

相手は♣J,♥Jを開きボードには♣2,♠Jが落ちて、セットからフォーカードと更に強くなった相手がポットを獲得しました。

オールインはやり過ぎたのかもしれませんが、ボードがボードなだけにレイズ額もよく分かりませんでした。ポットサイズだったとしても、ターンで相手のベットにコールすればポットコミットしてしまい、このハンドから逃れるのは難しかったと思います。

 

ポーカースターズ